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「安全」-建築空間の日常安全を検証します

建築空間の安全性は地震や火災といった非常時だけの問題ではありません。むしろ日常的な状況で多くの事故が発生し、不幸にして傷害を負う方も少なくないのですが、その実態が正しく把握されていないこともあり、これまで見過ごされがちでした。 近年は、社会の成熟に伴って、人々の安全に対する意識が高まってきています。より安全な生活環境実現のために設計時、管理時において何をするべきか検証します。

事故事例の収集と原因分析

事故の事例を幅広く収集し、その原因を、人間行動の特性に着目して分析することにより、危険を回避するための空間デザインを提案します。
  • ガラス事故事例収集分析
  • 学校事故収集分析

事故予防・データベースの開発

事故は設計や管理に携わる人間の意識や知識によって防げるものが多いです。そのために必要な情報を分かりやすく整理し、実務に活用できるデータベースを開発します。
  • 建物事故予防ナレッジベース

「快適」-利用者行動から空間をデザインします

近年は、ライフスタイルが多様化し、人々の行動も変化しています。空間もそれに合わせて計画されるべきですが、そのためにはその場所の特性に応じて人々の属性を整理した上で、行動や心理を細かく把握することが求められます。私たちはそのような心理・行動の正しい分析に基づいて、人々が快適に心地よく過ごせる空間をデザインします。

親子で過ごす空間のデザイン

今、子育て世代の行動や価値観は大きく変化しています。共働き家庭が増える一方で、父親も子育てに積極的に参加し、家族との時間を大切にし、小さな子どもを連れて積極的に街に出かけていくなどといった現象が見られます。このような変化の著しい子育て世代の生活スタイルやニーズを適切に把握し、快適で心地よい空間デザインを行います。
  • 授乳室の研究・デザイン

    乳児連れの外出時には必須の授乳室。ママ・パパ・赤ちゃん、家族みんなが心地よく使える授乳室を追求しています。
  • 子連れ家族の外出行動調査

    子連れでお出かけしやすい街のつくりとはどういうものか、実態調査からニーズと要件を明らかにします。
  • 子育てファミリーの住まい方、ライフスタイル分析

    社会背景によって刻々と変化する、子育て世代の生活時間や親子3世代同居のニーズを調査し、あるべき住まいについて分析しています。

公共空間のユーザビリティ検証

公共の施設や空間ではバリアフリー化が進み、ますます多様な人々によって利用されるようになっています。一方、そのような場所は大規模化、複合化、集客化する傾向にあります。つまり、大勢の利用者の細かいニーズに対応しなければならない状況が生まれています。行動パターンの異なる利用者属性と細分化されたニーズに応じた設備整備のポイントを求め、多様な人々にとって快適な空間づくりを追求していきます。

「価値」-都市空間の価値を発見します

現在、都市を取り巻く社会環境が大きく変化しています。少子高齢化や人口減少により郊外のベッドタウンではコミュニティの崩壊が問題化している一方で、都心にはタワーマンションに高密度に人が集まり、防災上の安全性が指摘されていたりします。このような変化の中にあって、持続的な豊かな都市空間を創造するには、これまでの延長ではない新しい視点で、都市の価値を考えていく必要があります。

都市居住者の意識・行動分析

これまで、居住地域の価値を測る指標としては、通勤や買い物の利便性、公共施設の充実度など、いわゆる「用」の部分に重きが置かれていました。しかしながら、近くの広場でのびのびできる、知り合いと集える店が近くにある、安全安心に子どもを遊ばせることができる、などといった、必ずしも「用」だけでは測られない部分も、生活の質にとって大切です。我々は、都市生活者の意識レベルで地域の魅力について引き出し、新しい都市居住の価値を提案しています。
  • 都市圏居住の価値を探る

    評価グリッド法を用いたインタビュー調査により、都市生活者が感じている地域の魅力についての評価構造を明らかにし、地域の価値を測る指標を提案。

「都市公景」の提案

ストック型社会への転換を踏まえ、都市の新しいあり方を考えていく時期が来ています。私たちは、都市の景観とは、そこに暮らす人々の営為の産物・結果であり、豊かな景観形成は豊かな生活環境につがなると考えています。そういった観点から、従来の個を重視した開発型まちづくりではなく、「パブリック(公)」を意識した調和的まちづくりを目指す概念としての「都市公景」を提唱し、その実現に向けた手法を検討しています。